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2024.10.21 / 2024.10.21
中小企業の採用にブランディングは必須
この記事の監修
アクシス社労士事務所代表
岡田 勝義
社会保険労務士・弁理士
文系学部(経営)と理系学部(電気)卒、社会保険労務士資格と弁理士資格の取得、大企業、中小企業、地方自治体での勤務経験、人柄は「思い立ったら即行動」の体育会気質(大学ではスキー部)でありながらギター・映画・読書をこよなく愛する自称文化人。
現在は、アクシス国際弁理士法人に勤務しつつアクシス社労士事務所を立ち上げ、日々クライアントと伴走する二刀流コーチを行っている。
採用ブランディングとは?
採用ブランディングとは、企業が求職者に対して自社の魅力を発信し、働きたいと思わせるための一連の活動や戦略を指します。具体的には、企業のビジョンやミッション、企業文化、働きやすさ、成長の機会などを求職者に伝えることで、他社との差別化を図り、優秀な人材を引き付けることを目指します。
近年、優秀な人材の獲得が企業の成長や競争力の維持においてますます重要視されています。しかし、企業側が積極的に求職者にアプローチしない限り、求職者は数多くの選択肢の中から自分に合った企業を選ぶため、採用の競争は激化しています。このような環境において、企業が「どのような場所であり、どんな価値を提供できるのか」を明確に示す採用ブランディングの重要性が増しています。
採用ブランディングが必要な理由
- 優秀な人材の獲得競争が激化しているため
特にIT業界や高度な専門知識を必要とする分野では、求職者の数が限られている一方で、需要は高まる一方です。優秀な人材は、自分のキャリアを最大限に活かせる環境や、働く価値を感じられる企業を求めています。企業が採用ブランディングをしっかりと行い、求職者に「この会社で働きたい」と思わせることで、競合他社よりも優位に立つことができます。
- 企業の知名度と魅力を向上させるため
採用ブランディングを通じて、自社の名前が求職者の目に留まるようになると、企業の知名度が向上します。知名度が上がることで、潜在的な求職者だけでなく、すでに働いている社員にも誇りを感じさせる効果があります。特に、スタートアップや中小企業など、知名度が低い企業にとっては、採用ブランディングが企業自体の価値を高める大きなチャンスとなります。
- 企業文化とビジョンを強調することで、適切な人材を引き寄せるため
企業文化やビジョンが明確に伝わっていないと、求職者が「自分に合った企業かどうか」を判断しにくくなります。採用ブランディングを行うことで、企業の価値観や働く環境、成長のビジョンなどが求職者に伝わり、それに共感する人材が集まりやすくなります。結果として、企業文化に合った適切な人材が集まり、組織内でのミスマッチを防ぐことができます。
- 採用コストの削減につながるため
採用活動において、何度も求人広告を出したり、採用エージェントを利用したりすることで、コストがかさむことがあります。しかし、採用ブランディングがしっかりと確立されている企業は、自然と応募者が集まるため、求人広告やエージェントに頼る必要が減ります。長期的には、ブランディングが強固であればあるほど、採用にかかるコストを削減することができます。
- リテンション率(定着率)の向上
採用ブランディングは、単に新しい人材を採用するためだけでなく、既存の社員の定着率を向上させる効果もあります。企業が一貫したメッセージを発信し続けることで、社員は自分が所属する企業に誇りを持ち、働き続ける動機が高まります。特に、企業のビジョンやミッションに共感して入社した社員は、長期間にわたって企業と共に成長する意欲を持つことが多く、離職率が低くなる傾向があります。
- ソーシャルメディアの影響力の活用
現在、多くの求職者はソーシャルメディアを通じて企業情報を収集し、企業の評判を確認しています。特に、LinkedInやTwitter、Instagramなどを利用して、企業文化や働く環境についての情報を探すことが一般的です。採用ブランディングがうまく構築されている企業は、これらのプラットフォームを通じてポジティブなメッセージを発信し、求職者に対する影響力を持つことができます。
採用ブランディングの具体的な施策
- 企業の魅力を明確にする
企業が求職者にアピールできる要素は多岐にわたります。例えば、「働きやすさ」「成長機会」「リーダーシップ」など、会社独自の魅力を明確にし、それを一貫して伝えることが大切です。これには、企業の公式ウェブサイトだけでなく、求人ページ、ソーシャルメディアなども活用して、自社の良さを具体的に示すことが求められます。
- 従業員の声を活用する
現役社員の声を積極的に取り入れ、求職者にリアルな働く環境を伝えることは、非常に効果的です。例えば、社員インタビューやオフィスツアー動画、働く現場を紹介するブログ記事などを通じて、実際にその企業で働くことで得られる経験や成長の機会を伝えましょう。こうした情報は、求職者にとって非常に有益であり、企業に対する信頼感も高まります。
- 企業イベントやインターンシップを実施する
企業の中での雰囲気や価値観を直接感じてもらうために、定期的な企業イベントやインターンシップを実施することも有効です。求職者が実際に企業のカルチャーを体感し、社員と交流することで、採用ブランディングの効果が高まります。特に学生向けのインターンシップや企業説明会は、将来の優秀な人材を早期に引き寄せる手段として重要です。
結論
採用ブランディングは、単なる採用活動の一環ではなく、企業の成長と成功に直結する重要な戦略です。企業の魅力を効果的に伝えることで、優秀な人材を引き付け、定着率を向上させ、さらには採用コストの削減にも寄与します。これからの時代、採用ブランディングの強化は、企業が競争力を維持し、成長を続けるために欠かせない要素となるでしょう。
採用ブランディングを支援する事業者は様々です。人材コンサル、人材系広告代理店などはすぐに思いつきますが、費用が比較的に高額である点、業者選びが良く分かりにくい点が挙げられます。そういう意味で国家資格者である社会保険労務士は良きパートナーになり得ます。